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装飾と余白がつくる幻想的な空間

 

西洋古典空間における「装飾」は、 絢爛豪華で空間に気品と 秩序を与える建築言語です。その装飾のほとんどはシンメト リーで権威ある求心性を持ち、「完璧さ」への憧れを象徴する存在のように感じます。

 

クラシック音楽も同様に、緻密に設計された作曲家のつくる言語(楽譜)は、変更の余地のない完全体として存在し、その 世界観を聴く人が感じ、深く理解することでクラシック音楽の 楽しさと向き合います。クラシック音楽もその空間も、完璧さ を追求した余波として「緊張感」が伝わり、聞く人や使う人に 日常とは異なる感情を呼び越します。

 

NoteTrailでは、その「装飾」と相反する「余白」という2つの 建築言語を用いた空間をつくりたいと思います。ここで言う「 余白」とは、「詫び・寂び」 に代表されるような変化を受け入 れ、体験や心情に訴え抱える美学であり、多様な価値観のある現代的思考を受け止める器のような存在でもあります。クラシック音楽が辿ってきた緻密で厳格な道筋が先行きの見えない変化し続ける世界観に入り込むようなイメージで 幻想的な空間を創造したいと思います。それは白か黒かはっきりとした分かりやすい空間ではなく、境界がぼんやりとあいまいでやさしい世界観です。

 

現実とも夢とも言えない不完全な空間をつくることで、クラシック音楽の魅力と感動が、時代を超えて現代の人々と出会う特別な場所になればと願います。

計画地:神奈川県

用途:音楽サロン 

構造:木造

階数:地上2階

規模:99㎡

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